「退職給付に係る会計基準」の一部改正(その3)(案)に関する意見

平成20年4月22日

財団法人財務会計基準機構
企業会計基準委員会 御中

企業会計基準公開草案第24号
「『退職給付に係る会計基準』の一部改正(その3)(案)」に関する意見

社団法人 日本年金数理人会
社団法人 日本アクチュアリー会

拝啓 貴会益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます。
さて、貴会より平成20年3月21日に公表された標記の改正案に関しまして、下記のとおり意見を提出いたします。

敬具

今回の改正案で示されているように、会計基準注解(注6)から「なお、割引率は、一定期間の債券の利回りの変動を考慮して決定することができる。」を削除する場合には、退職給付債務等の評価計算需要が短期間に集中する可能性があります。この需要に応えるためには、何らかの工夫が必要になります。当両会は、年金数理に関する専門職能集団として、かねてより「退職給付会計に係る実務基準」を制定し、合理的な計算方法の一つとして、「割引率のみ異なる複数の計算結果の関係を用いて、信頼度に考慮した合理的な補正方法により、それら以外の割引率による計算結果を求める。」を採用しております。「退職給付に係る会計基準」を改正する会計基準の公表にあたっては、この方法の活用について記載していただきたいと考えます。

なお、関連事項として、回廊アプローチと重要性基準が審議されたとのことですが、これらについては、今回の検討の対象に含めないこととされました。今回は短期的なプロジェクトであるため、この結論はやむを得ない面もあると考えますが、抜本的な議論が行われる際には、最良の基準を整備するために、議論を深めていただくよう要望いたします。

以上

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