2022年6月1日の定時総会後に開催されました理事会におきまして、理事長に選任されました原田です。よろしくお願い申し上げます。理事長就任にあたり一言ご挨拶申しあげます。
まず、当会の創設、発展にご尽力された全ての皆様に、この場をお借りして改めて敬意を表したいと思います。我々年金数理人が「年金数理人」という専門的職能人として活動できるのも、諸先輩方のご尽力によるものであり、敬意とともに感謝の意を表したいと思います。
また、小川前理事長におかれましては、その在任中、「企業年金制度の普及および改善に関する提言」の公表、「確定拠出年金に関する数理実務基準・数理実務ガイダンス」の制定、国際アクチュアリー会の教育シラバス改定への対応などを推進し、当会の発展および当会会員の活動領域拡大への多大な貢献をしてこられたことに、改めて感謝の意を表したいと思います。
さて、新型コロナウイルスの感染拡大は、図らずも我々の働き方そのものに変化をもたらしました。これを契機に、今後はより一層様々な働き方が増え、給与・賞与・退職金などの報酬体系や就労形態の多様化が進むかもしれませんが、企業年金が高齢期の生活基盤を支える柱のひとつであることに変わりはありません。例え多様化が進んだとしても、企業年金を持続可能なものとするためには、その時代にあわせ、さらに将来を見据えた財政運営や制度見直しが必要であり、またそれに対するアドバイス・コンサルティングに携わる年金数理人の役割はとても重要だと思います。これらの役割を果たすべく、年金数理人はそれぞれが知識・スキルを磨き専門的職能人としての価値を高めていく必要がありますが、当会は教育研修の機会提供などを通じ、そのサポートを行ってまいります。
一方で、このような環境変化を踏まえると、企業年金制度は今の仕組みのままでいいのか、どのような仕組みが将来的に求められるのかを考える必要性を感じます。そのため、当会として公的年金制度などの見直しの動向を踏まえつつ、企業年金制度やそれに関連する事項についての提言などにも取り組んでいきたいと考えております。
これからも企業年金の普及・発展に向けた公益活動をより一層推進すべく、役員一同、全力を尽くす所存でありますが、当会の活動には会員の皆さまの積極的な参画が必要不可欠です。これまでのご協力に感謝するとともに、今後も皆さまのご理解と一層のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。
2022年6月
公益社団法人 日本年金数理人会
理事長(代表理事)
原田俊丈